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15 June

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22 December

Narcissus02:俺の話をしよう

※BL※

※人によっては胸糞かもしれません※

※行為自体は割愛していますが、要は「過去の性事情暴露回~モブおじさんたちとの思い出~」なので、苦手な方はお逃げください※










 俺が思い出せる限りの一番古い記憶は、父親の拳。それが俺の顔面に叩き込まれて、めちゃくちゃ痛くて泣き喚いてた。
 すると、母さんが悲痛な声を上げて俺に覆い被さって。それからは、痛みはないけど衝撃だけが伝わってくる時間が続く。俺はこの時間が一番嫌いだった。
 小学一年生まで、これが俺の日常。
 何であんなのと結婚したかって、そりゃあ俺のせいだよ。所謂デキ婚ね。
 じゃあそもそも何であんなのと付き合ってたのかまでは知らない。あんな奴のこと知りたくもないし。母さんにあいつの話を持ち出すのも可哀想でさ。聞けるわけないよ。
 それくらいクソ野郎だったわけ。
 ああ、うん。離婚してるよ?
 俺が小学校に入って半年くらいして、母さんが妊娠してるのがわかった。
 残念なことにあいつの血も引いてるけど、俺とも母さんとも血の繋がりのある可愛い弟だよ。八歳下なんだ。
 弟を妊娠したのを切っ掛けに、母さんは離婚を決意してくれた。流産したらまずいしね。
 離婚は、今思えば驚く程スムーズに終わった。最後に父親を見た時、知らない女が一緒にいたから、その人の所にでもいるんじゃないかな。
「それがお前のルーツか」って?
 やだなぁオッキー、せっかちすぎ。
 今の全然序章だから。新連載の漫画とかで扉絵の前に何ページかある、枠線の外が黒い部分だから。
 
 話戻すね。
 で、離婚した後俺達がどうしたかだけど、母さんの実家で暫く暮らしてた。
 もしかして「平和になってよかったな」とか思ってない? お生憎様、ここにも平和なんてなかったよ。
 母さんはマタニティブルーと離婚のストレス、その他諸々が併発してものすごく荒れてたんだ。そこで俺に手を上げないでくれたのは救いだけど。お互いにね。
 けど、それでも許さない人がいたわけさ。母さんの父親、つまりは俺のじいさん。
 俺の時がどうだったのかは知らないけど、どうも比べ物にならないくらい荒れてたらしいもんで、男尊女卑含む根っからの昭和気質なじいさんはカンカンよ。
 ばあちゃんは理解があって、今でも時々助けてくれるくらい優しいけど、じいさんはそうもいかない。
 娘が父親である自分に当たり散らす図がどうしても許せなかったんだろうね、入院直後に勘当されちゃったんだ。
 母さんも母さんで、売り言葉に買い言葉。「勝手に荷物でもまとめときなさいよ」って。俺どうすりゃいいのって。
 せめて出産して色々落ち着いてからにしようってばあちゃんが何とか取り持ってくれて、俺は母さん入院中の宿を無事確保できたわけだけど、まあ肩身が狭い。
 なまじ聡い子供だったからさ俺。言われるまでもなく、自分に居場所がないことも察してしまったわけだよ。
 じいさんは、母さんにあれだけ言っといて孫に甘くするのはプライドが許さなかったのか、取り立てて厳しく当たられたこともないけど、普通に話したこともなかった。今思えば、名前呼ばれたこともなかったかも。
 ばあちゃんは昔から優しかったけど、母さんに付きっきりで家にいないことがほとんど。
 学校でも、虐待とか離婚の噂は瞬く間に広まってね。実のところ、小中学校でちゃんとした普通の友達いなかったんだ。
 俺ね、ずっと一人だったんだよ。学校でも、家でも。虐げられるか無視されるか腫れ物みたいに扱われるかの厄介者で、必要とされたことなんてなかった。邪魔な置物だよ。
 あはは、そんな顔しないでよオッキー。別に悲劇の主人公じゃあないんだから。俺はこういうポジションの人間だってだけでしょ。あ、誤解のないように言っとくと、自殺未遂とかしたことないからね。願望もなかったし。
 
 さて、色々母さんの精神面に負担がかかって心配だった弟の出産だけど。俺が八歳の時に無事産まれましたぁ。名前は浩平って言うんだ、素直で明るいいい子だよ。
 ところでオッキーは覚えてるかな? 弟が産まれたら、俺たち家族は家を出なきゃいけなかった。それまでにじいさんの気が変わるようにって願ってはいたんだけどね。
 ただ、それはばあちゃんも一緒でさ。母さんを引き止めて、じいさんを説得して。可哀想になるくらい必死になって、とりあえず弟の夜泣きが落ち着くまで実家住まいを延長することができた……んだけど、幸か不幸か、うちの弟はほとんど夜泣きしなくてさ。結局俺やばあちゃんが思ってたよりずっと早く、家を出ることになった。
 生活資金も、ないこたなかったし。離婚するまでパートをしていた母さんは、俺の父親がいつか何かやらかした時に逃げる為にへそくりをそこそこ貯めててさ。リサイクルショップで最低限の必需品だけ買って、安いアパートを借りて暮らす程度はできた。後で知ったけど、こっそりばあちゃんも母さんの口座に幾らか入れてくれてたらしい。
 そんなこんなで、俺達一家は今住んでるアパートに引っ越しましたとさ。
 あはは、流石に学習したねオッキー。そう、これで解決なんかじゃないんだ。
 小学三年生の俺と、赤ん坊の弟。二人の子供を女手一つで育てなきゃいけない母さんの苦労はここからだった。
 残りの貯金だってそう多くはないし、俺達の将来を考える必要もある。働かないと今度こそ一家三人路頭に迷うことになる。
 それから母さんは近くのファミレスで深夜に働くことになったんだけど……朝はご飯作って俺を送り出して、それからは弟に付きっきり。隙を見て内職もして、夜にはご飯作ったら弟風呂に入れて俺達寝かしつけて、深夜になったら仕事。そんで日が登る前に帰ってきて漸く寝られたと思えば、俺より先に起きる。こんな毎日だよ。オッキー耐えられる? 俺には無理かな。
 母さんだって同じだよ。こんな無茶な生き方できるわけじゃない。やらざるを得なかったからやっただけ。日を増すごとに、目に見えて変わっていったよ。
 俺だって何か力になりたかった。けどね、俺も子供だったの。
 家事をするにも弟の面倒見るにも、一人で任せらんないから結局母さんが見てなきゃいけない。寧ろ、俺が手伝って何か失敗することで、母さんは余計に苛立った。挙句にその後、ものすごく後悔するんだよ。「望はまだ小学生なんだから、完璧に出来なくて当たり前なのに。それどころか勧んで手伝ってくれてるのに苛立つなんて」って。
 巡り巡って、俺の存在がストレスになっちゃったわけ。きっと、そんなつもりは無かったろうけど。
 俺はなんにも出来なかった。役に立つことも出来ない。けど、全部捨てて自分の好きなように生きていけるほど無知でも強くもない。
 あ、我慢はできてたかな。友達はいなくても、学校で難しい問題が解けたとか、色々話したいことはあったけど、そういうの全部飲み込んで、母さんが弟のことに専念できるようにっていっぱい我慢した。
 俺さ、この時までずっと信じてたんだ。「外に居場所がなくたって、母さんは俺のこと必要としてくれる」って。ここだけは俺がいていい場所なんだって。
 けど、そうじゃなかった。結局俺のせいで余計に母さんを苦しめてしまった。俺に当てる時間が母さんにとって負担にしかならない。
 それからちょっとして、下校時刻まで学校に残るようになった。友達もいなかったから、ずっと一人で図書室で。暇だから授業の予習復習なんかしててさ。特に早く帰るよう催促もされなかったしね。
 学童? 行かないよ、俺はただ一人になりたかっただけだもの。それに、いくら何でもわざわざ腫物扱いされに行くほど肝は据わってないんだ。
 下校時刻を過ぎると、今度は図書館に行くの。家とは反対側にあるんだけど。
 そこでまた、端っこの方で勉強してさ。難しい本とか持ってきて、内容わかんないくせに分かった風にうんうん頷いたりして。
 テレビで特待生ってのを知ってからは、もっとちゃんと勉強するようになったなあ。ほら、高校までは出ておかないとって思ってたから。
 え? 「親からは何も言われなかったのか」? 言ったでしょ、母さんは大分参ってたんだよ。俺も夕飯の時間までには帰ってたし、母さんの生活リズムを壊さない限り気付かれないんだ。
 何をそんな怒るのさ? だから言ってるでしょ、母さんはボロボロだったんだ。ここで責められる筋合いは無いよ。
 話戻すね。俺のこの生活は結局小六までずっと続いた。
 冬なんかは、下校時刻の段階でかなり暗くなっててさ。図書館から帰る頃には、夏の夜中より暗いんじゃないかって程だった。 
 特にうちの近所は駅から離れてるし、入り組んだ住宅街の更に奥みたいな所でね。今は街灯もちゃんとあるんだけど、当時はそれも無くって。月が出てれば辛うじてぼんやり見える程度だったんだ。目が慣れればなんとなくわかるけど、色までは判別できないかなってくらいの。
 
 俺が処女喪失したのは、小六のそんな冬の日のことだよ。
 ああ、オッキー急に噎せちゃって大丈夫? 童貞クンには刺激が強かったかな? なんてね。
 ……何も叩くことないじゃないのさ。しょうがないなあ、オッキー用にかなり簡略化して話してあげよう。
 その当時、マフラーも無くてさ。ちょっとでも寒さを紛らわそうと髪伸ばしてたんだよ。て言っても、首にかかるくらいだよ?
 ただ、俺この顔じゃん。肌も白いし、髪もふわふわで。それが子供なんだよ? 天使だよね。オッキー何その顔。まあいいけど。
 とにかくそんな天使がさ、夜に一人で真っ暗な道をランドセル背負って歩いてるわけよ。今思えばとんだ自殺行為だよね。
 毎日そんなんだったから、もしかしたら前々から目付けられてたのかも。急に抱きつかれてさ。
 相手? 知らないおじさんだったよ。近所なのかどっかから付いてきたのかもわかんない。ただ、横から体と頭に腕回されて、首の後ろとか舐められた。
 何か、気持ち悪いとか思うより、とにかくビックリして何もできなかったわけよ。黙ったままなされるがまま。
 味をしめたんだろうね。無抵抗で黙ったままの俺の手を引いて、近くの駐車場まで連れてかれたんだ。
 普通の軽っぽい車だったけど、後部座席を倒して薄いマットレスが敷いてあってさ。まあ、そこで服脱がされて、俺が男だってわかって驚いてはいたけど、結局そのまま最後までされたわけよ。
 え? いやいやまさか、当時俺小学生だよ? 気持ちいいわけないじゃん。痛いし苦しいしって感じ。
 でもね、そのおじさん、俺を抱いてる間何度も「可愛い」「愛してるよ」って言ってくれたんだ。全部終わったあと、「ありがとう」ともね。
 俺が言われたこと無い言葉だった。「可愛い」も「愛してる」も「ありがとう」も。俺がどれだけいい子でいようと頑張っても、誰にも言ってもらえない言葉だった。
 どうやったら愛してもらえるのか、初めて知った。あ、おじさんに「お父さんお母さんには言わないでね」って言われたから、身内には誰にも言ってないよ。今思えばナイスジャッジだよねおじさん。
 それからはどうすればまた愛してもらえるかを考えて、けどパソコンも携帯も無かったから何もわからず、また寂しい生活を送っていた俺。
 そんなもやもやした気持ちのまま、小学校は卒業してしまいました。
 
 で、中学だけど……ここで俺のタガは外れることになるのです。聞く? ああ、ざっくりね、はいはい。
 うーん、色々あったからなあ。どれから話そう。
 じゃあ健全なとこから。
 じいさんが死んだ。中学入ってすぐくらいだっけね。俺には大していい思い出も無かったし、そんな悲しくなかったけど。
 母さんにも遺産は結構入った。けど、喧嘩別れしたままだったっていうのもあって、手を付けたがらなかったんだよ。
 見かねたばあちゃんは、遺産を俺に使うよう進言した。改めて考えると、ばあちゃんには苦労かけっぱなしだなぁ……
 まあそういう経緯で、俺は受験に向けて塾に通うことになり、加えて携帯電話も入手した。
 先に言っとくと、この時俺専用の口座を作ってじいさんの遺産は全部そこにぶち込まれた。意地でも自分では使いたくなかったんだろうね。携帯料金も塾の月謝も、そこから引き落とされるように契約したんだ。
 とりあえずここまでが健全。
 この先はー……うーん、端的に、端的に……
 援交始めたよ。
 うわ、吹き出さないでよ汚いな。は? 「何でまた」って、そこを聞きたくないだろうから飛ばしてあげたのに。仕方ないなあ。
 うちの中学、全員強制でどこかしらの部に入れられたんだけどね。そこで俺は水泳部に入ったのです。
 あぁ、まあ泳げはするけど人並みだよ。うちの水泳部はろくに活動してなかったからね。エコ丸達も中学の部活ろくに活動してなかったって言ってたけど、一応毎日集まってはいたみたいだし、こっちよかマシかもね。
 こっち? こっちはね、特に集まる必要は無かったよ。先輩に呼び出されたりしない限りね。
 そこの当時の三年がまあ、言っちゃえばヤリチ――あ、わかったからいい? とりあえず、男女問わない絶倫だったわけさ。
 俺もこの見た目だしねえ、入学直後に猛アプローチされたから水泳部に入ったわけ。
 知識もその他諸々も、殆どその人から仕込まれたんだよ。曰く、俺ったらかなり秀逸だったみたいでね? 超お気に入り。
 お陰様で、中学でも孤立してたけどね。付き合い悪いかつ水泳部だからって。部活しか居場所無いよね。
 そんな最中に援交勧められたんだ。今もう消されちゃったけど、掲示板のアドレスとかも教えて貰ってさ。
 え、脅されてないよ? 愛してもらえて、お金も貰える。天職だと思ったよ。職じゃないけど。
 そんな始まりで援交を始めた俺は、着々と才能を開花させ、性に溺れていきましたとさ。
 あ、ごめん。こんな言い方しといてなんだけど、まだ終わりじゃないよ。
 結局その時期、ばかみたいにやりまくってさ。お陰様で俺の口座には、未だにじいさんの遺産が丸々残ってる。
 高一の途中くらいまで続いてたからね。大分稼いだよ。それでも一年以上稼いでなかったから、遺産も削れかけてたけどさ。
 あ、うん。オッキー達と仲良くなったくらいの時期はやめてたよ。
 そう。散々愛されたいって言ってた俺はね、新しいものと出会うのです。
 
 高校に入学して、暫くの間は援交も続けてた。岡先生、だっけ? あの人も掲示板で会ったんだ。お互い学校にバレちゃまずいし、秘密の共有ってのもあってね。ま、あの人他にも色々手出してるけど。
 で、俺がそれをやめたのが、今から一年ちょっと前。
 きっかけは、それより大分前の最初の席替え。の後。エコ丸と席が前後になったんだよ。
 これ、本人に言わないでね。多分凹むと思うから。
 俺、最初はエコ丸のこと苦手だったんだよね。
 だってあいつコミュ力高いじゃん? 入学した時点で一緒にいたの、ヒナとラッキーだよ? そうそう、ラッキーはうちのクラスの樂木。ヒナは2組の朝比奈ね。
 ヒナはまだしも、ラッキーなんて見た目ヤンキーじゃん。話したらただのバカだってわかったけど。
 ヤンキーと仲良しのコミュ力高いチャラ男ってのが第一印象。
 でもって、俺より身長高いけど、謎の小動物感もあるし。連休前には、ある程度みんなと打ち解けて、基本クラスの中心かその周りにいてさ。
 この人、両親から、周りのみんなから愛されて育ったんだろうなってわかったよ。俺とは住んでる世界が違う。
 オマケに周りがグラビア見せあったり下ネタで盛り上がってる時にちょっと引いてたのわかったからさ。完っ全に相容れないタイプだと思った。
 あいつとは逆に、俺は一人でいる方が長かったし、抱いてもくれない同年代に興味なんてなかった。だから、友達もできないように、あんまり喋んないで無愛想にしてた。
 エコ丸にだって同じように接してたよ。呼ばれても用が済んだら足早に去って、廊下で見かけたら避けて。
 まあ、気付かなかったんだよね、あいつ。席替えで俺の前に座ってさ、「別府とあんま話したことなかったよね、よろしく!」って。
 太陽属性かよ、焼き尽くされるわ。やめてくれよって。こういう奴に限って俺の本性知ったら掌返しでシカトとかし始めるんだよ、絶対仲良くするかっての。
 じゃあ何でって思うでしょ?
 
「別府って睫毛長いね」
「……杉江は眉毛が短いね」
 
 挙句、初めてまともに会話した内容これだし。
 けどあいつさ、俺のいい所ばっか見てくれんの。そこ褒めてくれんの。
「頭いいんだね」「髪色地毛なの? キレーだね」「何であの問題解けたの!? すっげえ!」「このシャーペン中一から使ってんの? 物大事にすんだね」
 他にも色々褒めてくれてさ。狙って言ってるわけじゃないのが腹立つよね。
 腹立つけど、それが居心地良かったんだよ。気付いたら、掲示板に書き込むことも減ってさ。愛してくれる知らない誰かより、褒めてくれるクラスメイトを優先し始めてた。
 ふざけて「エコ丸」とか呼んでみたら、対抗して「べっぴー」とか呼んでくるし。え、「丸」って何かって? 麻呂眉だから「エコ麻呂」って呼ぼうとして噛んだの。
 そんなある日のことでした。いきなり「放課後空いてる?」って聞かれたわけ。遂にエコ丸にすら抱かれると思うじゃん。え、思わない? 俺は思ったの。
 ま、実際は妹ちゃんの誕生日プレゼント選ぶの助けて欲しいってだけだったんだけど。
 いや、「なんで?」とは思ったよ。思ったしそう聞いた。
 ただ、俺としては「友達がいるのに何でわざわざ俺なの?」って意味で聞いたんだけど、上手く伝わらなくってさ。エコ丸は「なんで自分で選ばないの?」みたいなニュアンスで受け取ったみたい。
 
「だって、去年俺が選んだやつあんま喜んでくれなかったんだもん。だから、友達の意見も聞きたい」
 
 全然俺の聞いた内容の答えになってなかった。
 でも、でもさ。俺のこと友達って言ったんだ。生まれて初めて友達が出来たんだ。
 依存してるって言われても否定できない。俺の中で、エコ丸が唯一無二の、特別な存在になった。
 そんな特別な、初めての友達をなくしたくなかった。
「エコのこと好きなのか」? そりゃ好きだよ。……それが友情なのか恋なのかはよくわかんないけど。だってちゃんとした友達出来たの初めてだったんだもん。そもそも、血の繋がりも体の関係もない人を好きになったのさえ初めてだったし。
 大丈夫だよ、エコ丸に変なことは絶対しないから。援交してたのだって言ってない。だって、嫌われちゃうじゃん?
 それが理由だよ、俺が暫く援交してなかったのは。一年以上もよくもったよねえ。
 エコ丸と仲良くなったのを切っ掛けに、友達って呼べる人達も増えた。オッキーと日野っちだってそうだよ。
 そんなオッキーに言うのは心苦しいんだけど、結局、今も俺の一番はエコ丸なわけ。ていうか、エコ丸以外の友達はどうでもいいって言うか? エコ丸さえ幸せになってくれれば、他はまあなるようになれって感じ。
 ……そう、俺も含めてね。
 エコ丸さ、最近俺より大事な人が出来たんだよね。日野っち? んー、内緒。一応口止めされてるからね。
 そんで、その人といる方が幸せそうだし、実際幸せなんだと思う。
 だから、俺は我慢することにしたの。エコ丸がその人と一分一秒でも長くいられるように、俺が時間を取らないように。
「それで何でまた岡と」、とか聞かれてもねえ? だってちょうど良く誘われたから。時間は空いたし、本当は勉強だって余裕でついていけてるし、寧ろ授業追い抜いてるくらいだし。
 因みに、岡先生だけじゃないよ? 普通に当時つるんでた先輩とか、タイミング良く掲示板で相手探してる人とか。
 別に、もう愛に飢えてはいないけど。エコ丸にいろんなもの貰って、視野も広くなったと自分では思ってるんだ。だから、抱かれることが全部等しく愛されること、とは思ってない。
 だからって、嫌とも思わないからさ。暇潰しには丁度いいし? 元の生活に戻ったって程、仄暗い生活してるわけでもないしさ。
 
 というわけで、俺のダイジェストはこんな感じで終了でーす。
 わかってくれたかな? わからないなら、それはきっと幸せなことなんだよ。
 あ、ごめんごめん。話長くなりすぎたかも。外真っ暗んなっちゃった。帰ろ――あはは、俺と一緒にいるの嫌になった?
 別に構わないよ。だってオッキーはエコ丸じゃないもの。
 
 あ、でもひとつだけお願い聞いて?
 この話、苦手云々の件だけじゃなくて、最初から最後までエコ丸には秘密にしてね。一応、日野っちにも。
 もし破ったら、俺がオッキーの筆おろしするから。
 
「……お前、どうかしてるよ」
 
 だから、ずっとその話をしてたんでしょ?

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